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電子図書館の利用に関する意識調査の結果
電子図書館コラム2020.09.03
【こちらは、2016年5月1日(日)に公開された記事の再掲です。】
電子図書館のトライアルを1か月間利用してみたところで、
対象者の生徒83名と教員6名の合計89名に対して、
電子図書館の利用に関する意識調査アンケートを実施しました。
結果は、以下のようになりました。
Q.1 電子図書館を利用してみた満足度はどのくらいですか?(単回答)
68票 満足・やや満足
21票 不満・やや不満
Q.2 電子図書館の良い点は何だと思いますか?(複数回答)
61票 メディアセンターまで貸出・返却に来なくていい
48票 外出先や移動中に手軽に読める
42票 メディアセンターが閉まっている時間も利用できる
39票 邪魔にならない・持ち運びが楽である
23票 予約・延長・貸出履歴など管理がしやすい
17票 試し読み・目次・しおり・キーワード検索などの機能が便利
15票 授業学習・受験勉強の時に役立ちそう
15票 文字サイズや画像を拡大して読むことができる
13票 読書をしてみようというきっかけが増える
Q.3 電子図書館の悪い点は何だと思いますか?(複数回答)
55票 目が疲れる
49票 インターネットに接続しないと読めない
32票 紙の本が好き・紙に慣れているので
27票 充電切れや故障すると読めない
20票 利用できる電子書籍のコンテンツが少ない
18票 そもそも書籍をあまり読まない
17票 画面が読みづらい
15票 モバイル端末を持ち歩くのが大変
14票 読んだ気がしない・内容が入ってこない気がする
11票 電子書籍が好きじゃない・抵抗感がある
Q.4 電子図書館では、どのようなジャンルの利用に最適だと思いますか?(複数回答)
72票 小説
35票 受験参考書・過去問題集・大学案内
20票 辞書・辞典
23票 漫画・コミック・挿絵の多い書籍(まんがで学ぶ世界の歴史など)
20票 資格(英検など)
17票 スポーツ
16票 英語・洋書・語学
15票 料理レシピ本
14票 新聞
生徒の満足度は、全体の約8割弱が「満足・やや満足」と回答しており、
今後も利用したいと考えていることがわかりました。
なお、普段から電子書籍を利用している生徒は、1割未満と極めて少なく、
ほとんどの生徒が、電子書籍をほぼ初めて利用したという感じでした。
満足と回答した主な理由は、直接、図書館に来る手間が省けるところが一番のようです。
場所や時間の制約がなくなることは、電子図書館を利用する大きなメリットといえます。
そのためか、オンライン状態でなければ読めない点がデメリットになっているようで、
本当にいつでもどこからでも利用できるとは言えないという意見も多くみられました。
不満と回答した主な理由は、目が疲れるという意見がとても多かったです。
スマートフォンでよく利用していた生徒は、お風呂や暗い部屋で寝転んで読むなど、
どんな場所や体勢でも読めて良いという意見もみられました。
紙書籍では難しい環境や状態でも読書ができるため、さらに無理をしがちになるようです。
また、自宅にWi-fi環境が整っていなかったり、充電や通信料が気になる生徒も多くみられ、
電子図書館への不満というよりは、電子端末に対する不満や不安の方が目立ちました。
電子図書館で読みたいコンテンツとしては、小説が一番多かったです。
小説など活字の多いものは読みづらいのかなと思っていましたが、杞憂でした。
娯楽的な読み物などで利用する方が相性が良いのかなと考えていたので、
授業や学習関連で利用する方向でも手ごたえを感じました。
以上、トライアルを実施してみてわかったことは、電子図書館の満足度は高く、
導入した場合、とくに紙書籍をよく利用する生徒が、電子図書館をよく利用する
傾向があることや、こうした生徒たちにとって紙書籍と電子書籍を使い分ける
バリエーションが増え、本の閲覧・貸出・返却における利便性が向上することが、
電子図書館を導入する最も大きいメリットであると考えられます。
紙書籍をあまり利用しない生徒への影響については、
トライアルからは実感できませんでしたが、
満足度が高いことから利用者の拡大に繋がることが期待されます。