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身近な出来事から科学的思考力を考える「生物の授業」を通じて布施 裕人 先生

どのような授業か?

3年生アドバンストラーニングコース理系(旧理系進学コース)生物選択者 生物「動物の環境応答:ヒトのさまざまな受容器 眼」 「視覚」を題材に動物の刺激感知方法について学習を行いました. 「視覚」はいわゆる「感覚(五感)」の中でも重要であり,私たちが感知する感覚の80%以上を占めているとも言われています.それだけ依存度の高い感覚である「視覚」について,我々が日々「当たり前」のように認識していることを題材に「科学的.論理的思考」を養うため,「学びあい」の手法を用いて授業を実践しました.授業の流れは以下の通りです 導入:「疑問の共有」教員からの発問を通じて,身近に起きている現象の再認識,解決課題の共有を図ります. 展開1:「疑問を解決するために必要な知識のまとめ」4人グループワークを通じて,資料から必要な知識を探し出し,まとめる作業(プリントの解答)を行います. 展開2:「知識の共有,課題解決の糸口の模索」:展開1で調べた知識をシェアし,その情報を組み立てていく過程を皆で行います. 展開3・まとめ:「疑問の解決」展開2で出した情報をもとに,再びグループワークを通じて解決案を作成し,所定の方法(文章・図・口頭)で表現します.

この授業の目的・目標

「生物,生命現象」を題材に「科学的・論理的思考力」高める. 「生命現象,生命の尊さ」に興味を持ってもらう. 上記2点を目標に授業を実践しています.その目標を達成するために,授業においては以下の点を重要視しています. ①1時間の授業を「知識・技能」の定着のみで終わらせない・・・「知識・技能」は講義をするのではなく,「学びあい」を通じて相互理解をする. ②「思考・判断・表現」は教員と生徒の共同作業で学びを深めていく・・・教員が発問する疑問や視点,生徒が抱いた疑問や視点について,授業に参加する皆で共有化し,双方向コミュニケーションを通じて1つの授業を築き上げていきます. ③①②を必ず1時間の授業内に盛り込む・・・1時間の授業内で「思考・判断・表現」を鍛える場と「知識・技能」を鍛える場の両方を作り,双方とも重要であることを認識させます.

先生の感想・メッセージ

正直生徒は「疲れる」と思います.今回の授業を選択している生徒は幸運にも1年生から3年間持ち上がりで担当することができた子たちです.良い意味で「授業に対する安心感,達成時の喜び」「この授業を通じて色々な学びができる経験値」は享受できていると思います.ですので,従来の講義形式の授業よりも頭を使う時間,活動する時間は多くても,生徒は集中して取り組むことができ,授業の終わりには疲れを見せていますが,達成感のある表情で最後の挨拶ができていると実感しています.

本校の事例紹介